更新日:2017/05/18
超音波歯ブラシ?音波歯ブラシ?
電動歯ブラシを使ってみようかな、とインターネット検索をするとたくさんの情報が出てきますね。
音波歯ブラシの代表格ソニッケアー(フィリップス)を超音波歯ブラシであるとした誤情報をたくさん見かけましたので、少し調べてみました。
超音波の定義は?
私は物理学が得意ではありませんが、調べたところによりますと超音波と音波は周波数(振動数)によって分けられます。
その境目の定義はいくつかあるそうですが、おおむね2万Hz以上を超音波と呼ぶようです。
2万Hzというと、1秒間に2万回振動するという事ですね。
超音波歯ブラシ?音波歯ブラシ?
超音波と音波の違いがその振動数にあると分かったところで、名前をよく耳にする製品の振動数を書き出してみます。
フィリップス | ソニッケアー | 517 Hz (31,000 brush strokes/min) |
パナソニック | ドルツ | 517 Hz (31,000 brush strokes/min) |
パナソニック | ポケットドルツ | 267 Hz (16,000 brush strokes/min) |
ブラウン | オーラルB | 407 Hz (48,800 brush movements/min) |
先ほどの定義を振り返ってみますと超音波歯ブラシを名乗るには2万Hz以上でないといけませんので、有名どころの電動歯ブラシはすべて音波歯ブラシであることがわかりました。
超音波歯ブラシって存在するの?
実は超音波歯ブラシは希少な存在です。
かつて「ウルティマ(東レ)」という超音波歯ブラシがありましたが、2009年3月に販売終了しております。
しかし、そのウルティマの製造元が現在も「スマイルエックス AU-300D」という超音波歯ブラシを販売しているようです。
こちらは1.6 MHz(=160万Hz)ですから、まぎれもない超音波歯ブラシです。
超音波と音波、どちらが良いの?
さて、上で紹介した超音波歯ブラシは1秒間に160万回も振動するのですから、ブラシの毛がさぞ激しく動くんだろうなぁ、と想像されているかもしれません。
しかし、それは誤りです。「超音波+音波モード」と「超音波のみモード」が選択できるのですが、超音波のみモードにするとブラシの動きは見た目にはわかりません。普通の歯ブラシのように手で動かして使います。
それに対して、音波歯ブラシは高速でブラシの毛が動いているのを目で確認できますよね。
音波歯ブラシの方が振動の振れ幅がかなり大きいのです。
超音波歯ブラシと音波歯ブラシでは、そもそも使用する目的が違います。
普通の歯ブラシを使うよりも、もっと短時間で効率的に歯垢(プラーク)を除去したいという方にはソニッケアー・ドルツ・オーラルBなどの音波歯ブラシの方がおすすめです。
超音波歯ブラシはそういった目的ではなく、超音波の力で細菌の構造にダメージを与えるなどの効果を期待して使うものであり、歯垢を短時間で除去したいという目的には合っていないようです。
結果的に歯垢をしっかり落とすことができればどんな歯ブラシを使っても良いわけですが、せっかく購入する場合はその特性を生かした使い方をしたいものですね。
ちなみに私は音波歯ブラシの代表格ソニッケアーをずっと使っています。
参考
http://www.usa.philips.com/c-m-pe/oral-health-care/information/manual-vs-electric
http://panasonic.jp/teeth/sw_toothbrush/function/